鯨って水族館でしかみたことがないんですよ。
泳いでるけど、哺乳類だからヒトとおおきな括りは一緒なんだって、悠々と泳いでいる鯨をみながら思ったことがあります。
鯨って大変だなって思うのは、ヒトは文脈を作り出す天才なので、物語のなかに織り込まれたりもするじゃないですか?
むかしの人は、鯨の全体像が理解できずに、勝手に「ケートス」という海獣をつくりあげてしまったり。
ケートスは星座になったり、ドラゴンにされたり。

ヒトに延々と勘違いされている間も、海で関係のない生活を送っていただろうなって思います。
鯨自体は。
ピノキオのお父さんを飲み込んだことにされたり。
鯨の生態自体は、もう生活圏になってしまったり。
鯨が生活圏を他の生き物に提供するのは、その死後なんですよ。
栄養素の塊の信じられない巨大なものが海の底に沈むので。

10年単位で、様々な海の生物の生活圏に死後の鯨がなるんだそうです。
鯨骨生物群集と呼ばれて、現代ではヒトから研究対象にされています。
神話の一部にされたり、物語に組み込まれたり、生態がある程度理解されてからも、ヒトはなんだかんだといって、鯨に魅せられているみたいですね。
おなじ哺乳類でも、サイズはさまざまで、海に住んでますし。
不可思議な存在なんでしょうね。
海のなかで、ヒトに出くわすことがあると、たまに絡んでくるこいつら、うざいなって思っていたりするのでしょうか?