こういう映画を気楽に観れるくらいに気力が少しは戻ってきたんだという2本の映画です。
昨年だったら観ることはむつかしかっただろうなって思います。
おそらくどちらもSF作品になるのではと思います。
まず、こちらの作品です。
映画音楽目当てだったんですが。ヨハン・ヨハンソンさんが映画音楽を担当なさっておられます。
もう素晴らしかったですね。あれ、これはリヒター?と思ったら、やはりマックス・リヒターで。
急逝なさったのが、残念としかいいようがないですけど。
本当に音楽が素晴らしいです。
惜しむらくは、実際のメッセージのやり取りの場面です。米語圏の映画なので米語が使われるのはわかるんですが、主人公がコミュニケーションとして使う米語の使い方と、メッセージの解読の内容自体は全くわからないんですが、レベルが違いすぎているような気がして。
映画に集中できなかったんですよ。
メッセージとして出される象形文字のようなものをどうやって短期間で解読できたんだろう?とも思いますし。
相手に米語を伝えるのであれば、アルファベットを伝えて、発音記号を伝えたほうが早かったんじゃないのかな?って思いますし。基礎の文法と応用の文法との間でバランスをとるべきだったんじゃないのかな?とか。あのコミュニケーションの方法で相手はどうやって米語を理解したんだろう?って考えると無理があるよなって思うんです。

映画なのでしょうがないんですが。
リヒターが選ばれていましたし、ヨハン・ヨハンソンさんが映画音楽だったので、2本目はこちらの作品です。
メモリアです。
素晴らしい映画でした。個人的にはコロンビアの風景は未知だったので、とても楽しめました。
ジェシカにはジェシカにしか聞こえない音があるんです。
映画の冒頭で、駐車場で車のライトが点滅したり、音がランダムになるんですが。音響としてとてもバランスが取れているので、きちんとした音がテーマなのかな?と思って観はじめました。
ジェシカを中心にエピソードが複数挟まれるのですが、だれが実際に存在する人物で、だれが実際に存在しないのかとか。
夢のなかに現れた犬は、こんな犬なんだろうか?とか。
ジェシカは存在するのかとか。
音の記憶は、ほかの誰かの記憶と重なっていくのだろうか?とか。
ユーモアもはさまれていますし。
個人的にはとても楽しめました。こういう空中で吊るされるタイプの映画は好きなんですよ。
いわゆるサスペンスですが。
記憶の中で音ってどのように存在しているんだろう?とか映画を観ながらいろんな発想が喚起されます。
存在しているのかいないのかわからない人がやっているバンドはエレクトロニカだったり。
コロンビアの風景を堪能できる映画になっています。
コロンビアの風景ってこんな風景なんだって、堪能しました。
ただし、観る人はかなり選ぶ映画です、実際に。
わたしは大好きなんですが。
個人差です。
映画の終盤で音の記憶の洪水みたいな場面があるんですが。いいですよ。