音楽はラジオから流れてくるもので、一生懸命耳をそばだてて熱心に聴くものだったんです。
物心ついたときから、そうでした。
そのうち、映画から音楽を受け取ることも増えました。
映画を観るときには、ぼんやり観ているつもりでも、案外としっかり観ていたりもします。

映画の場面と背景に流れる音楽が一緒になって記憶に残るので。
たまにラジオからその楽曲が流れてくるときには、その音楽が使われている映画の映像を思い出します。
あの場面だったなって。
その場面で流れる音楽は印象的なんですが、一曲フルで流れるわけではないので。
ラジオから流れる曲にじっくりと耳を傾けながら、その初めての経験に驚くこともあります。
トータルで聴くとこんな楽曲だったんだって。
当たり前のことなんですが。映画で流れる楽曲は、映画関係なく、一曲の楽曲として成立をしていて。
そのことに思い至るまで、時間差があるんです。
実際に、映画を観てかるく10年以上経過して、映画に採用された楽曲をはじめて楽曲として聴くこともあるくらいです。
映画に採用されているときに楽曲の表情とは違うので。
驚くことはありますね。
音楽を聴きながら、音楽としての楽曲のよさに気づかされたりもします。それでも怖い記憶がある映画の場合は、その場面だけが細かに記憶に上ってしまい、音楽は映画音楽の役割を全うしていたりもします。楽曲としての成立よりも映画の場面に挿入されているその音楽のほうが存在感をもってしまっているようで。あ、またあの怖い場面でかかる曲がラジオでかかっているという想起のしかただったりもします。