映画配信サービスを利用して映画を観ることはあります。素直に感動してみたり、ええーっと驚いたり、これはいいのだろうかと悩んで、観ることを止める映画もあります。観ることを止める映画。あるんですよ、これが。
なんだろうと思って10分ぐらい観てやめました。
もちろん、ゴダールの映画は好んでは全く観ません。ゴダール映画との出会いが、私の場合は悲惨だったのです。ARIAという、各監督がオペラの歌曲にインスパイアされて映像化するというオムニバス集の映画で、ゴダールと出会ったのです。リュリのオペラは正直観たことないのですが、それにしても悲惨だなぁーという内容で。みんなゴダール、ゴダールっていうけれど、オペラの鑑賞もできない監督なんて支持できないっと、以来ゴダール映画は敬遠してきました。
そんな私でも、この映画は支持できません。
ゴダールに甘えすぎているんじゃないんだろうかと思ったんです。現役の映像作家にここまで酷いことしていいんだろうかと思って、観るのをやめました。最低限の “decency” は必要だと思ったのです。虚実混じったことを、相手がゴダールだからといってぶつけていいものなんだろうかと思いました。じゃあ、ゴダールがこの作品の相手をするかというと、しないと思いますが。
そして、ゴダールが映像化を失敗したオペラを作曲したリュリですが。
実は映像化されているのです。
目下、再販の見込みはたっていません。ARIAに関しては、なんと紀伊國屋書店が9月に再販してます。Blu-rayもDVDももうすぐで売り切れそうですが。

リュリは太陽王、ルイ14世のフランス宮廷での宮廷楽長なんです。
ジェラール・コルビオ監督が映像化しています。『王は踊る』という映画です。

質の高い作品に仕上がっているのです。何回か観たことはあります。DVDなどは購入していませんが。実は、リュリは同性愛者なんです。だから、ゴダールはああいうアプローチだったんだというのは、後から理解できたのですが。それはそれで酷いアプローチの仕方だと思いましたし、他のオペラを選べばよかったのにとも思います。
映画鑑賞も簡単ではない側面もあります。
『グッバイ・ゴダール』に関しては、一応公式サイトにリンクを貼ってあります。ARIAに関しては数年前にDVDを購入して、久しぶりに観ました。その時に長年のゴダール敬遠の謎が解けたのです。なんでゴダール嫌いなのか自分でもよくわかってなかったのです。三つ子の魂百までとは、よく言ったものだなぁーと思います。その時には、題材に選んだリュリのことはまったくわからなかったのですが。センスの欠片もないことは十分に伝わる内容でした。子供に対して誤魔化しの聴かない酷さでした。『女は女である』は偶然観てしまい、アンナ・カリーナかわいいって思っていたら、ゴダール作品で、よくよく考えるとアンジェラは娼婦のような役どころで、そうかー、ゴダールだなぁーと思いました。後は、先生から急に短編を一本渡されて、観なければいけなくなったこともあります。結局、長編1本と短編1本しか観てません。

 
																								 
																								