動物が家族になった経験はありますか?(再掲)

子供の時でした。猫を飼いませんかというお誘いがあったそうですが、数日預かり、その猫がこのお家は嫌だっと帰っていった後に、別の手のひらサイズの捨て猫が家にやってきたのです。

当初は栄養状態も悪く、ミルクを少し飲んでもお腹を壊してしまうような猫だったのに。1年も経つと当たり前ですが、立派な成猫になりました。

ヒトも動物なので、ある程度まではコミュニケーションは図れます。

もちろん私は当時子供だったので、当時猫が嫌がるだろうなぁーといういたずらはほとんどやっています。

高い場所から落ちてもすくっと立つ猫をTVで観ながら、飼っている猫を急に抱き上げて、負けへんもんな、できるやんなって、高く掲げた両手を離してみたりしました。もちろん、猫は心の準備の時間もなにも与えられないのできちんと着地できるわけもなく、こけながらもなんとか着地はできていました。え、なんでなん?あの猫には出来るのにーっ、という問いかけもむなしく、驚いた猫はそのまま別の部屋に走っていきました。

とても無口な猫でした。ほとんど鳴きませんでした。鳴き声があまりにか細く、にゃんという鳴き声の半分くらいの発声しかしません。しかも自分の身の危険を感じた時にしか鳴かないのです。

ある日、高いところから鳴き声がするので驚くと、戸棚の上にいました。

面白くなって戸棚の上につぎつぎと登っていき、気が付いたら、思いっきり高い場所に行ってしまい、怖くなってしまったようです。椅子を持って行って猫を助けようとしても、当時の私の身長ではそこまで手が伸びません。猫も恐怖ですくんでいます。

そこから、低い位置に降りることができる方向を探しながら「こっちに移ってくると降りれるよー」っと誘導しても、手の先を見つめるだけで、動いてくれません。途中で疲れてしまい、戸棚の下で本を読んで待つことにしました。そばに誰かが居れば安心感は出るかもしれないし、そのうち自分で降りる道を探すだろうと思って待っていたら、思わず本に夢中になってしまい、気づかないうちに、猫は高い場所からいなくなっていたこともあります。

また、毎日、学校から帰ってくると、窓辺にある猫の指定席になっている場所にまず向かうことが日課になっていました。

学校から帰ってきたことを猫に報告するためです。今考えるとなんでそんなことを毎日繰り返していたのか、理由はよくわからないのですが。

それが子供の頃の私の日課だったのです。猫はまどろみのなかでゆるゆると寝ています。帰って来たよーっと椅子のそばに手をかけて待っていると、うっすらと目を覚まして、手の甲を舐めるのです。猫なりの「おかえり」のあいさつです。そして、そのまま猫はまどろみのなかへ帰ろうとするのですが。そこでちいさな攻防が毎日繰り返されていました。帰って来たんだから、もっと構わんかいっという子供の主張と、こっちは成猫なんだから、もう少しまどろんでいたいのにという猫との攻防です。黙って猫の手の上に軽く手を乗せる子供と、乗せられた手を嫌がって、その上に前足を乗せようとする猫だったり、どうでもいい攻防が繰り返されていました。

時には、学校で猫の鼻は乾くと病気の兆候らしいという真偽のよくわからない情報に惑わされたまま、慌てて帰ってきて、帰って来たよーの挨拶を忘れ、小さなコップに水を入れて、そのまま猫のもとに急ぎ、鼻をさわって安心して帰宅の報告を忘れる日もあれば、猫に「おかえり」のあいさつをしてもらう前に、猫の鼻をさわって、乾燥していることに慌ててしまい、お水をもってきて、黙って、猫の鼻に指先で水をつけて、急に怒られたこともありました。つまり、突然起きてものすごーく嫌ぁーという顔をされるのです。こっちも真偽の判らない情報に振り回されて必死なので「だって、鼻が乾いてたら病気かもしれへんねんで、だからお水をもってきてんねんてっ。病気やったらどうするん」という平行線の議論が交わされて、お互いに険悪な雰囲気になったりもしました。

別の日には、家族の帰宅が遅い時間になる予定の日があって、家には子供の私と猫だけです。夜10時には寝る子供と夜行性の猫との無駄な攻防もありました。

当時の私には夜の猫の行動は知る由もないので、夜なんだからお互い寝ないといけないと、猫に眠るようにいろいろと説得を試みるのですが、まったく猫は寝てくれません。遊ぶだけ遊んで疲れたら眠るのかもしれないと遊ぶだけ遊んでも、眠ってくれず、自分の睡魔に負けて結局先に眠ってしまったりもしました。

猫や犬に関する記述を読んでいて、猫や犬が気持ちに寄り添ってくれた、また、気持ちを慰めるような行動をとってくれたという文章を読むたびに、私は猫にそんなに思いやり溢れるような行動をとってもらったことがないので、羨ましいなぁーといつもそう思います。

たまに階下でか細い鳴き声にびっくりして慌てて、階段口までいくと、だまされたなぁーと表情を生き生きとさせる猫に出会うことがあり、こっちがだまーって嫌ぁーな表情をしていると、ひた、ひたっと時間をかけながら、ゆっくりと階段を上ってくるのです。ムカついて黙ってその場を立ち去ろうとすると慌ててのぼってきてました。よく考えると、猫に対していわゆる猫なで声というのを使ったこともありせん。当時私が子供だったせいかもしれません。猫の方が大人だったのだと思います。よく猫はきまぐれという話も聞きますが、学校のある日は毎日、子供の私が帰宅すると、毎日ある程度子供の要求にしたがって、遊んでもくれたのです。個人的な意見ですが、猫って実は辛抱強いと思っています。他人には割と淡泊なのに、猫に対しては構って欲しいという子供もどうかなぁーとは思いますけれどね。

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