映画ってむつかしいですね。

期待に胸をふくらませながら観る映画が、残念、という初秋になっています。

2本のうちの1本目です。

もちろん、ソフト (註1)を買ったうえで観たんですよ。ウェス・アンダーソン監督作品だからです。

(註1) 私の場合は、主にBlu-rayとかDVDなど手に取る商品として購入するのですが、いま映像そのもの単体をコンピュータ上で所有できますから。全体として「商品」となるんだと思うんですが。ソフトは日本語としてその語感はありますし。悩んだままに「ソフト」と勝手に総称しています。

世間では「おしゃれ映画」という揶揄もあるようですが。別に「おしゃれ映画」でもなんでもなく、作家性の高い映画になります。映画を観ながら引用元も思い浮かべましたし、いろんなことを考えながら映画を観たんですが。

絵画をテーマに選ぶとき、映像に映る絵画の質が高くないと、途端に映像作品自体が虚像になるわけですよ。つまり、映画の世界に没頭できなくなるんです。その絵画が傑作になるわけがないってわかるからです。冷めますよ。

冷めながら映画を観ることになるので、視点は冷たくなるんです。画家としての藤田嗣治の日本での評価や諸刃になっている部分とか監督がリサーチできているかというと、無理だろうなぁーと思ってしまったり。1968年のフランスのパリでの騒動に関しては、学校で先生に念入りに教えてもらっているので、余計に冷めたり。冷めてばかりでもと思い、何かいいところを探そうと思いながらもむつかしく。あ、この俳優さんは前作で犬だった人だとか余計なことを思い出したり、そういえば、画家役のベニチオ・デル・トロさんは犬の声色で演じることになると思っていただろうか?とか、ベニチオ・デル・トロさんが犬の唸り声をあげる映画なんてはじめてかもしれないとか、視点が散逸してしまいました。

観終わった後に、予感が走ったので『犬ヶ島』を観直したんですが。モチーフが複数にわたって、横にスライドしてるだけじゃないかと思って。フランスなんてテーマに据えるから取っ散らかったんだろうなーと思いました。フランス映画って奥深いので。フランスが題材の映画で、しかもフランスの片田舎の地域ごと借りて撮影現場にしてまで撮ったのに。この映画がフランスの映画批評から絶賛されていたら、それはそれで問題だろうなと思いました。次回作に期待ですね。

章立てにしている着想は面白かったですし、撮影技術がとてもいいです。ハリウッドのエフェクトの撮影技術を鼻で笑うような俳優さん方の技術力に即した撮影手段を取っていて、その点は素晴らしかったです。

繰り返しますが、ウェス・アンダーソン監督の作品は「おしゃれ映画」ではありません。通常DVDやBlu-rayに収録される特別映像はYouTubeの方に掲載されているんですが、ベニチオ・デル・トロさんが、今回、アンダーソン監督作品で初参加だったので、「参加している俳優さん方はみんな有名人ですし、優秀な俳優さんばかりですよ」とおっしゃっていて、デル・トロさんはそのひとりなんじゃないんですか?違うんですか?名優だと思っていますが、私の勘違いなんでしょうか?と問いかけたいくらいに、気さくにこの作品を応援しようとなさっています。

本当に、次回作、頑張ってくださいね。

もうひとつ、悲惨だった映画があります。007です。

最初、冒頭の10分くらい観て時間がなかったので、後で観ることにしていたんです。

その直後くらいに、記事で当初はダニー・ボイル監督が監督するはずだったという記事をみかけてしまったんです。運悪く。映画というのは8割がたぐらい、Aさんという監督が仕上げていても、制作サイドともめだして、Aさんという監督が降板になってしまい、Bさんという監督が途中から引き受けて最終的に仕上げて、それがアカデミーを受賞してしまうこともあるという事実を知っているので。どこまでボイル監督が関わったのかわからず、続きを観ることができない期間が延々と続いたんです。

公開後に、ボイル監督も今作を評価なさったという記事を読んだんです。ボイル監督は制作サイドにボイル版007の内容を提示したところ、そこで制作サイドに蹴られてしまったそうだったので。

改めて、観ることにしたんですね。

ご覧になったみなさんなら、私の意見に少なからず同意してくださる人も少しはいるのかなぁと思いますが。

クレイグさんの007の最後があんな悲惨な状況になるのであれば、ダニー・ボイル監督に最後の作品を託しておいた方がよかったはずだと思うんですよ。

海外の映画製作が日本を絡めだすと碌な結果になりませんからね。ロシアと領有権の意見が分かれ続けている領土はロシア化されて久しいんです。実質、ロシアが占領している時代が長いからです。どうして、制作サイドは、ダニー・ボイルさんの監督としての技量を信頼することができなかったんでしょうか?

クレイグさんは本作で最後なんですが、ボンドは過去形でしか幸せを語らないんです。クレイグさんの007像を超えるのがむつかしいからって、あんな展開にする必要性はあるんでしょうか?

疑問符しか浮かばない作品内容でした。

個人的な意見でしかありませんが、ダニー・ボイル監督に託して、クレイグさんの007の最後を締めたほうが絶対的に良質な作品に仕上がったはずだと思います。

制作サイドが、次の007に変な俳優さん抜擢したら、怒りますからね。

最近、映画に恵まれていません。

むつかしいなぁーと思っています。

万人受けする映画はあんまり観ないのです。万人受けする映画で、努力して観た映画もあるんですよ。3部作の作品です。わかりますか?3部作の作品って結構ありますからね。『キングスマン』です。終盤、マーリンがいけないものを踏んでしまったとき、「マーリーンッ」って、なりました。もちろん、悲しかったです。なんで、あんなに努力したんだろうって、自分でも不思議に思います。シリーズの最初を観てしまったので、頑張ろうって思ったのかもしれません。きっとそうだと思います。日本映画で好きな作品は、清水宏監督の『有りがたうさん』です。日本映画の名作ですよ。ちゃんとソフトの取り扱いもあります。派手にいろんなことが沢山起こるというよりは、起承転結がはっきりしているというよりは、内容把握のレベルの低くない群像劇とか好きですし、シンプルだけど滋味があるという作品の方が好きなんです。コミック原作の映画が全盛の現代だと、なかなか観たい新作さがすの、むつかしいんですよ。マーベルが世界的に流行してしまうと、いろんな弊害はでますよ。日本に入ってくる海外の映画のレベルが落ちるんです。最近、映画を扱うサイトを読んでいたんですが。単館系が頑張っているそうです。来年の2月には『カラヴァッジョ』が再上映になるそうです。イギリスにも作家性の高い映画監督というのは何人も存在して、デレク・ジャーマンについては、個人的に頑張って観ていました(イギリス映画の場合は、挫折してしまった映像作家がいるくらいです)。私とセクシャリティが根本的に異なる監督の映画なので、どこまで正確に理解できているか本当に自信がありませんが。モチーフがかなり細かい監督になるので、理解がたやすい映像作家ではありません。ここから入るという入り口としては『カラヴァッジョ』は良作だと思います。ただし、画家としてのカラヴァッジョと、デレク・ジャーマン監督作品を別にして観ないといけません。短編は殆ど観ていないんですが、長編は頑張って大体観ています。『カラヴァッジョ』はソフトを購入しました。実はティルダ・スウィントンさんはデレク・ジャーマンのミューズなんですよ。スウィントンさんが映像の中に入ってくるとジャーマン監督作品に深みが出るんです。お互いへの信頼感が深くないとむつかしいんだろうなーと当時は考えていましたし、今でもそう考えています。

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