コロナ禍に入る前後くらいから、TVに興味を失ってラジオも聞かなくなったんです。日本のものです。
なので、どうしようかなぁーと思い、そこからBBCのラジオをたまに聞くようにしています。たーくさんのチャンネルがあります。
私は当時よくBBCのRadio 5を聴いていました。日本もしんどかったですが。イングランドも大変なんだと思いながら聴いていました。

当時、日本のラジオで聴きたいラジオもありませんでしたし。音楽という気分でもないなというときに、Radio 5を流していました。日本のメディアの忖度ぶりよりもましだったのです。
ただ、聴くたびに心配していたことがあります。トムさんのことです。
聴く時間はイングランドの深夜に当たるので、大体夜起きている人たちがラジオでトムさんとお話するんですが。
「ロンドンの地下鉄で、現在では使われてない古い駅で」というとってもマニアックなクイズを、当時ロンドンの地下鉄がほとんど封鎖されているときにトムさんに問いかけるひとがいたり。
えー、という状況だったんです。

もちろん、世界中で聴くことができるBBCのラジオなので驚きながら聴いていました。
トムさんはなんとか空気がよどまないように、イギリスの皆さんの気持ちの辛さが更に痛まないように、おひとりで対処していたのです。
当時、たまに聴きながら、今日のトムさんは大丈夫かなぁーと心配をしていました。
辛い気持ちを持った皆さんの言葉には寄り添い、たまにこんな面白いことが身近で起こりましたよとリスナーを和ませ、意地の悪い視聴者のどうでもいいクイズにも丁寧に付き合っていらっしゃったのです。

トムさんにお休みは与えてもらえないのだろうかと、心から心配になるほどでした。
数年後、おそらくトムさんはデスクワークの方に廻られたらしく、Radio 5の番組の担当は別の方に変わっていました。
しばらく経ってから、たまに聴くRadio 5を普通に聴いていると、とあるときに、あ、トムさんだと思ったんです。声で覚えていたので。担当の方が急用だったらしく、代わりに番組担当でした。
トムさんはいつもどおりでした。タフだなぁー、トムさんって思っています。
BBCって本当に大変だなって思いますよ。イギリス人の心だけではなく、英語圏の人々の心を支えていたりします。他の番組ではアメリカの人と話していたり、オーストラリアの人と話していたり。この問題についてはどうなん、ちょっと専門家の人に聞いてみようというケースももちろん出てきます。日本のメディアのヘタレさとは対極にあります。トムさんは夜の担当なので、みなさん、”Hi, Tom.”から話がはじまっていました。コロナ禍には変わりはありませんが。地道なお互いへの気遣いは大事にしましょう。ちなみにトムさんの名前は仮名にしてあります。