流行って恣意的なんですね。

映画を観たんですよ。とても勉強になりました。

映画はこちらになります。

2012年から2015年までラフ・シモンズさんというデザイナーさんが、ディオールのクリエイティブ・ディレクターだったそうです。オート・クチュールの発表を担うデザイナーさんです。

オート・クチュールというのは、1年に2回の発表の機会をもつ、通称サンディカと呼ばれるパリの老舗のオーダーメイドで作られる高級服飾を扱う加盟店が、扱う商品のことだそうです。

つまり、高級服飾の最高峰の洋服を展開していて、基本的に手作業で作られています。

CEOはお店の経営を一手に担い、クリエイティブ・ディレクターに選ばれたデザイナーが、ディオールの名を汚さずに、きちんとしたディオールの枠内で、年に2回の発表のために洋服のデザインから発表を手掛けます。

準主役のお針子さんたちは猛烈に忙しいのです。顧客の方からお直しを依頼されると、お針子チームのトップの方が、飛行機で現地に行ってお直しをするんだそうです。

そのような顧客を抱える会社だからこそ、ディオールは老舗の高級服飾店としてお店をパリに構え続けているんですよ。

発表までの準備もしながら、お直しも手掛け、発注されたお洋服も作るんです。凄いですよ、本当に。

仕事をしていても、クリエイティブ・ディレクターからはダメ出しの嵐がきたり、おこられたり、そういう中でもユーモアを欠かさないようにして、お針子さんたちは乗り切っています。

ショーの時には、舞台袖で自分の子供を送り出すように、細かい手直しをして送り出しています。それまで、つまり、完成品が作られるまでの工程もかなり過酷です。

クリエイティブ・ディレクターは、ショー全体を手掛けるので、猛烈なプレッシャーの中で仕事をするそうです。ショーでは、招待客をすべて魅了しないといけないので、様々な工夫をするんだそうです。そして、CEOの予算は?という壁はもちろんあります。高級服飾店であり、企業だからです。

こうやって、ファッションショーが行われるんだという点で、ものすごく勉強になりますよ。

そして、「今季のトレンド」というのは、ある意味、ファッション業界のひとたちが、作りこんでいる部分があるんだというのが、よく理解できました。

クリエイティブ・ディレクターさんが、他の同業の誰かとアイディアが一緒になってしまうということはないんだという事実がありますし、それぞれの老舗のサンディカの加盟店では店ごとにテイストが異なるはずで、それを、全部適当に、これが来季のトレンドですってしてしまうと、逆に失礼なことになるんだと理解できました。現在のクリエイティブ・ディレクターはMaria Grazia Chiuriさんだそうです。

映画を観てからショーを観ると、また違った視点で観ることができますよ。細かいところほど、全部、お針子さんたちの手作業なんですよ。

それぞれの老舗がオリジナルなのに、それを「流行」でまとめようとすること自体に、無理があるのかもしれませんね。

別のサンディカ加盟店であるシャネルと比較してみるとわかりやすいです。

このふたつの老舗を比較しても、「今季の流行は」というのは、失礼でしかないんだということが、よくわかります。

目の保養になりますよね。映画を観た後だと、あの手作業の上にこれらのショーがあるんだって思えるんですよ。

さまざまなメゾンのオリジナルを十把一絡げというのは、どうなのかなって、映画を観た後だと思うんですよ。メゾンの顧客のために、メゾンの継続繁栄のために、いちから作られる洋服になります。すごいなぁーってあらためて思いました。

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