X (旧称 twitter)であんまり遊ばなく(遊ぶ?)なったのには、原因があります。遊び方としては検索を沢山していろんな意見に触れて、たまにえ?と驚く情報を知ったりという遊び(遊び?)方です。
あまり、堅苦しい検索の仕方はしていなくって、英語で適当な言葉を入れてどんな運用方法なんだろうとか調べたりという遊び方なんです。
サッカーに関しては真面目に調べますけどね。
夏になんだろうという現象がありました。コロナも完全にあけて、アメリカの人たちが映画を楽しもうという時に、夏の映画に全く方向性の違うインパクトの強い2作品が公開になったんです。
ご存じの方も多いと思いますが。ノーラン監督の新作の『オッペンハイマー』とグレタ・ガーウィグ監督の『バービー』です。全く方向性が違う映画が、同じ時期に公開だったので、映画を楽しもうとしているアメリカのみなさんは2作品を短期間のうちに映画館で観ることになって、少し感情がゆさぶられたのかもしれません。
方向性は異なりそうなんです。そのうち2つの作品を観た人たちの混乱(?)がネットミームを作り出し、個人的には大丈夫なのかな?アメリカの人たちは、と少し心配をしたんですね。
そして、ご存じの方もいるように、『バービー』の広報担当のひとが日本で上映決まっているにも関わらず、初歩的なミスをして、それに憤った様々な人たちが、観てもない映画を知識もなくバッシングするという、私個人の理解を超えた現象が起こったんです。
観てもないのに、それはアメリカの映画会社の広報の人の初歩的ミスだし、映画なんやし流したらええやんかというのが一切通用しない感じでした。

日本はコロナ禍が続いていたので、八つ当たりも相当あったんだと思います。
いろんな皆さんが『バービー』をけなしたり、擁護したり、結構散々だったんです。
普通に観たら楽しそうなのにって思ったんですが。
そのうち、擁護する皆さんのなかで、それは気の毒だからというよりは、自分の志向するイズムに組み入れたいがために『バービー』を利用したいだけという論者もいて、段々話がエスカレートしていったのを茫然としながらみていました。
英米文学の一部の学者や翻訳家の皆さんも一緒になって一部騒いでいて、何が起こっているのかさっぱりわからなかったんです。
若干、こちらが凍りつく様相でした。
その行為は、逆に観客の心を冷やしてしまうという発言に気づかない知識層が存在するらしく。
普通だったら沈黙をして、公開の後の状況を鑑みて、擁護の発言を少しするくらいだったら理解できたのですが。
公開前から騒いでらっしゃるんです。

ひとつの映画作品に対して、熱血すぎるような空気感の異常を感じたほどです。私が直接教育を受けた先生方はそんな無粋な姿勢はとりませんし、まず、X(旧称 twitter)で発言はなさいません。煽情的という姿勢とはきちんと距離がとれる当たり前の冷静さをもってらっしゃいます。
あの時ほど当惑したことはありません。
冷静に読んでいくと、あー、持論にことよせたい研究者が作品を利用としているという痕跡は言葉の端々にあり、この先生がたについているゼミの学生さんや、講義を受けている学生さんはもしかすると気の毒かもしれないと考え込むことすらありました。
自分の先生が四六時中、特定の映画作品について持論を語っていたら嫌ですよ。
『バービー』と『オッペンハイマー』の騒ぎは別の場所にも飛び火していたんです。
どこだと思います。
イングランドのクラブチームのリバプールです。プレシーズン期間中で、とある選手が世間で騒がれているので、選手のみんなはどっちの映画を観るのか聞いてみるという企画を個人のX (旧称 twitter)でやりはじめたのです。多分、親睦のためのネタとしてやってる感じだったんです。
これから、みんなに『バービー』となんやったけ?なんやったけ?あ、そう『オッペンハイマー』のどっちの映画を観るのか聞いてみるねーという軽い感じではじまってました。
どっちの映画観る?ととある選手に聞くと『バービー』という答えが返ってきて、不意をつかれたんでしょうね、え?なんで?と質問を返すと、家族で観に行く予定になってるという返事で、あー、そうかーという納得を得たかと思えば、別の選手は迷いながら『オッペンハイマー』と応えたり、もうわからないーっという選手が出始めたり、何をやっているんだろう、リバプールはという感じでした。

日本での公開後も興行収入は伸び悩んだような気がします。それでも騒ぎ続けるひとはいて、最終的にtwitterのみで大体のストーリーと監督が大切にしたであろう部分のネタバレが堂々と識者の発言でも行われる事態になり、『バービー』という映画は日本で様々な種類の暴力の渦に巻き込まれてしまった作品になったんです。
映画が可哀そうとあの時ほど気の毒になったことはありません。
映画は観てませんが。
ネタバレを平気でやる識者が現れるという現象にも困惑しましたし。
それで、X(旧称Twitter)の使用頻度が減ったんです。時間つぶしは別に行うようになりました。
あれは、本当に映画に対して気の毒だと思いました。
最近では『ゴジラ』の新作がいろんな国々で頑張っているそうですが。公開時期がずれてよかったなぁと思っています。そこに『ゴジラ』公開まで重なっていたら、アメリカの皆さんにとってはカオスだったでしょうね。原点回帰のゴジラだそうで。第1作目と第2作目はきちんと観ました。第2作目で、ゴジラには脳が3つあるという展開に驚き、両ひざに脳があるという構造になっていて、ゴジラ大丈夫なんかなぁーと思ったこともあります。歩くたびに脳震盪を起こすことになるのでは?ええー?ってなりました。今回のゴジラは第1作目を押さえているらしく、海から突然やってきて、戦後の東京をめちゃくちゃにするそうです。原点回帰はいいですよね。そのうち観たいなーって思います。BBCかなんかの映画評でもなかなかいいよと褒められているみたいですよ。”lizard”と表記されていて、ちゃうちゃう、みんな、”lizard”と勘違いしてハリウッドで映画化なんてやったから失敗したの、ゴジラはゴジラって思いました。英語表記だと”GODZILLA”になるので、”god”をゴジラの中に読み込んでしまう人も沢山いるんですが、日本語では単なるゴジラです。東京を破壊しつくして去っていくゴジラです。日本人をめぐるゴジラの原風景っていろんな論考があるんですが。本当に多岐にわたりますよね。
 
																								 
																								