The Guardian誌で、イギリスで出版された偉大な文学100選という記事があったんですね。
The 100 best novels of all time | Fiction | The Guardian
この100位のなかで、1位がEliotのMiddlemarch (1874)というのは、なぜなんだろうって悩んでいたんです。
いろんなかたが選書を10冊なさっていて、その総合順位ということなんだとは思うんですが。選書を手掛けた人には、どうしてその順位になってしまうのかさっぱりわからないというひとも一定数含まれていて、そこでもなぜなんだろう?って悩んだり。
実は、2015年度にBBCでイギリス文学の100選という特集があったんです。
The 100 greatest British novels
1位はやはり、EliotのMiddlemarch (1874)なんですよ。
ただ、100位から順番に見ていくと1位にEliotのMiddlemarch (1874)が選出されても理解ができる内容だったんです(現代文学に関しては勉強不足なので未読のものもあります、すいませんっ)、もちろん、Silas Marner: The Weaver of Raveloe (1861)が1位にならないのはおかしいとか、いろんな意見があるんだと思います。Evelyn Waughが複数作品選ばれていたり、Waughが選ばれていないと、大丈夫なのかな、最近のイギリス人は?とか思ったりしますよね。
どういうことなんだろう。
イギリス人はもう自国の文学なんて読まないのかな?
読書に興味がないのかな?
わたしはイギリスの文学を学んできたのに。

普通に不貞腐れたわけなんです。
近年の日本のイギリス文学研究者のなかには、マンガだ、アニメだ、と知的貧困さをキャッチーさを勘違いしている研究者も少なくないみたいなので。旧称twitterのアカウントを持っていた時に、どういうことなんだろうっと青ざめたことがあります。
他国のことはいえないんだぁーって。
日本もイギリスも反知性主義なんだぁーって。
そんな落ち込んだ気持ちを抱えて、まどろんでいるところに、後日、吉報が掲載されたんです。
What is missing from the Guardian’s 100 best novels list | Books | The Guardian
「選出されなかった名著ーガーディアン紙の100選」です。
読みながら、せやねん、せやねん、おかしいとおもっててんやんかの連続で。
いろんな異論があって、はっとさせられることもあるんです。
リストなんですよね。100通りのバーやカフェで、100通りの異論が出てくる話なんだと思います。それでも。Steinbeckがゼロって。ねぇ?
エディンバラより
何年か前に、そろそろプルーストの『失われた時を求めて』を読んでみようかなって思ったことがあって。ガーディアン紙のリストでは第5巻が入っています。近所の図書館に出かけていき、1冊借りたいんですって頼んだんです。司書のひとが訝しげな視線を投げかけてくるんです、そして、何冊必要なんですか?って訊かれて。
稀少本の取り扱いがあるなんて思いもよりませんでした。司書の女性は書庫へと消えていき、第1巻を手に戻ってきたんです。本を開いてうろたえてしまいました。字体は細かいですし、2段組だったんです。それでも借りて帰ろうって思ったんです。
無論、とても読めたものではありませんでした。それと同じカテゴリーとして考えるならば、わたしは『ユリシーズ』を挙げます。それでもですよ、Evelyn Waughが一冊も選ばれないなんて。わが国の偉大な小説家のひとりと多くの人が認識しているはずでは?
サマセットより
Hardyの『テス』はどうなっているんでしょうか?あんな傑作の小説はありませんよっ。
グロスターシャーより
きっと一部の意見が掲載されただけで、たくさんの意見が寄せられたんだろうなって思います。
The Guardian紙は、選書を頼む先をまちがえたのかもしれませんよね。
19世紀~20世紀の小説で教科書に取り上げられる作品はたくさんあり、精読したんです。個人的に努力もしたんです。もちろん、Eliotも教科書として先生が取り上げてくださっていました。何冊か読んでいますよ。わたしの先生はしっかりとした小説を緻密に読むという先生なんです(先生は複数形です)。夏休みが辛かったんです。秋はここから読むからと先生から宣言があり、結構な分量が飛ばされるんです。目は通しておきなさいということなんだろうかと。目を通さないといけないので。学生時代の夏休みってそんなものですよね。