以前、NHKのラジオを聴いていて驚いたことがあります。まだ、ゆとり教育自体の揺り戻しが終わり切っていなかったとき、子供が宣言をしていた風景に出会ったのです。

日本の歴史を理解しようと思ったら大河ドラマでいい、だってNHKだし、正しいからと宣言をしていたのです。
そうでもないよっと正直に周囲の大人は諭せただろうか?と思っています。
最近ではテレビ離れもありますし、しょうがないんですけれど。NHKの歴史番組自体もレベルが下がったり揺り戻ったりしています。
いまだと『英雄たちの選択』がNHKに参加する史学の先生方の良識に支えられる番組になるんだと思います。
実はその手前の番組が好きだったんです。番組名は伏せておきますね。

NHKの大河ドラマの歴史考証などを引き受ける、余計な仕事を毎回NHKに割り振られても淡々と仕事をこなす、すごい先生などが出る番組です。日本史について専門的な知見をもった識者しか出演できないという番組でした。
視聴者に求められるのは、おそらく受験生レベルの日本史の知識量だと思います。
当時、毎回楽しく観ていたのです。
とある回で、川中島の合戦を取り上げていたのです。武田家家臣団について専門的な知見がおありの先生も番組に出てらっしゃていて。あー、身も蓋もないという発言をなさっておられたんです。
詳細は伏せますね。
A先生:ご飯をたくさん炊くからって煙がたったというあの山ですが。大体あの山に何万人という数のひとは収容できません。山自体の面積がちいさすぎます。
唖然としました。え?ということは歴史書(武田家の歴史書です)って嘘書いてあるってことになるんだと、初めて知ったんです。山ですから。千年単位で考えると木を切られてはげ山になることは想定されても、全然質の違う土砂を置かれて、気候変動によって山自体が崩れるという地形は、その山には存在しないんだと思うんです。
詳細は伏せているんです。どこにも直接的な迷惑がかからないようにです。
ここからは、私の個人の視点です。
何回もお互いに戦争(国内で複数の戦争を日本は当時抱えていたんです。信じられませんよね)を繰り広げている支配地域を広げたい、日本海の海路が欲しい武田家と、朝廷から役割をもらっているので、もめ事があると現在の関東地域まで軍を出して、そこを戦地にして滅茶苦茶にして朝廷の肩書を誇示して、相手の謝罪を受けてから毎回、現在の新潟県に帰っていく上杉家は、数回、戦争をしています。

ただ、夥しい死者の数が武田家の文書に記録が残されているのは、第4次川中島の戦いになります。それまでに、数回、双方で戦争をしましたという記録はあるのですが。では、すべての戦争で本当に実際の戦闘状態までもつれ込んだのか、その事実はわからないことになる可能性もあります。
にらみ合いが続いて、続いて、現場では小競り合い程度でおさまりがつき、情報戦も終わり、これ以上戦争状態でも損害しかでないと判断し、双方、一応戦いは行いましたが、犠牲者はこれ程度で済みましたという現実が重なった後の4回目の戦争だったのかもしれません。
もう、想像の域はでません。だって武田家の古文書が事実を伝えていなんですもの。想像の域を出ませんよ。
平和な江戸時代はかなり長い間続いたので、その間に戦国時代についての創作活動が日本でかなり盛んになったのは事実なんです。その後に、明治になって海外との戦争に状況が重なって偶然勝ったりもしているのです。
日本に住んでいる国民が戦争と真っ向から向き合うのは太平洋戦争に突入する前夜になります。日本人に戦争に対して嫌悪感を持つことを連綿と続けさせるほどひどかった戦争になるんだと思います。70年以上、日本は戦争していませんからね。架空の戦闘状態について議論を適当にすることはありますが。実際に、平和条約を締結した後、何度も戦闘行為を繰り返しているアメリカの国務長官の発言って、だから軽くないんですよ。日本の識者は空想上の議論をしているのかもしれません。そういう話が好きな視聴者を満足させるために。
それでも、想像がつきませんよね。実際の川中島がどうだったかなんて。
戦争の悲惨さがわからないからこそ、ちょっと怖いですよね。実際に殺し合いをするのが川中島ですし。実際に死者はたくさん出ていますし。
「戦国時代」と名付けが行われているので、歴史上の出来事で片付いていますが。内乱状態だと考えて、実際はどうだったんだろうって考えると、想像がつきません。
大河ドラマの戦国時代の戦闘ってどこか歌舞伎の演目の延長線上という感じがします。それくらいで納めておくというNHKの良識なのかどうかはわかりませんが、どのみちフィクションですから。史実に基づいたことを忠実に再現というのは、むつかしいのだと思います。
大河ドラマって観るかというと、やっぱり最近はむつかしいです。1年かけてみてると辛くなりそうですし。それでも、ドラマの制作にかかわる皆さんは1年間健康だといいですね。とある俳優さんが大阪にある歴史記念館で戦国時代の和装の再現を体験するという番組をNHKで観たことがあります。NHKのドラマとは違って女性が身に着ける着物ってとっても着やすかったそうです。着脱が楽なのだそうです。その番組で初めて知りました。大河ドラマにも反映されるといいのにと思います。次は鎌倉時代の前後が舞台なので、戦国時代よりも前です。ただ、網野先生の本を読んでいると、当時描かれた絵が掲載されていて、よくよく見ると、もっと楽に着物を着こなしている様子なのです。前の袷の部分とか、どうにかならないんでしょうか?ずっと着てると女性の俳優の皆さんは大変だと思います。どこかできちんと衣装の考証にも反映されるといいですね。随分昔に、源平の合戦を物語にした琵琶法師の物語を読んだことがあります。これからお互いに戦争をしますという前口上がすごーく、長いのです。現代人とは時間の感覚が異なっているようでした。また、他の番組で住んでいる人もよくわからない一の谷の遺跡をほかの俳優さんが訪ねていく番組では、ここから馬を駆って降りていくんですねーと信じられない様子を隠せずに、谷をのぞいていました。当時は整備された土地だったかもしれませんが。現代では単なる山の中ですし。馬といっても、大河ドラマに出てくるサラブレッドに乗っていたわけではありません。当時は日本の馬に乗っていたはずです。日本の馬って、サラブレッドほどの大きさはないのです。日本の馬の殆どが実は太平洋戦争に軍事用に駆り出されてしまい、品種によってはもう二度と出会えない馬もいるそうです。戦争って馬を絶滅に追いやることを普通のことと考える状況に日本人を追いやったみたいなのです。怖いですよね。